2016/04/07
里ちゅーん
2016/02/20 更新
イモビライザーとは、簡単にいうと「電子的なキーによる照合」によって不正なキーではエンジンを始動させることができなくする、自動車の盗難を防ぐシステムのことです。イモビライザーとは、どのような仕組みと機能および防犯効果があるのか調べてみました。
イモビライザーの仕組み
イモビライザーとは、鍵に埋め込まれたトランスポンダがもつIDコードと車に設定されたIDコードを照合し、一致した場合にエンジンが始動する、盗難防止システムです。
イモビライザーとは(英語表記:Immobilizer)一言で言うと「電子的照合」により盗難を防止するシステムのことです。
イモビライザーとは、従来のようなキーとキーシリンダーとの物理的な噛み合わせによる照合ではなく、キーに内臓されたトランスポンダと呼ばれるICチップに埋め込まれたIDと車に設定されたIDをコンピュータが照合し、一致しなければエンジンを始動できないようになっています。
したがって、形状が複製されたキーで車内に侵入できても、エンジンをかけて逃走することはできません。IDは暗号化技術によって、その組み合わせは膨大なもので現在は複製不可能と言われています。
ちなみに、イモビライザーとは、「動かなくするもの」という意味です
トランスポンダ
送信器を意味する「TRANSmitter」と応答器を意味する「resPONDER」を組み合わせた言葉。
受信した電気信号を中継したり、応答を返す機器の総称。
イモビライザーの機能
イモビライザーとは「動かなくするもの」という意味ですが、IDが一致しなければ、エンジンECUとセルモータを電気的にロックし、車が動かなくします。
イモビライザーとは盗難防止装置のことですが、メーカで取り付けられるものと、後付されるものがあります。メーカで取り付けられるイモビライザーとは、IDが一致しなければエンジンECUとセルモータを電気的にロックし、車が自走できないようにします。また、近頃ではキーを抜き差しするごとにトランスポンダのIDを書替える「ローリングコード方式」と呼ばれるものもあります。
これに対し、後付されるイモビライザーとは、点火装置・燃料ポンプ・セルモータのいずれか一つまたは複数を電気的にロックすることで車が動かないようにします。後付されるものにも、「ローリングコード方式」が採用されているものもあります。
※メーカによっては「コードホッピング方式」等、呼称は色々です。
イモビライザーの効果
イモビライザーとは盗難防止装置のことです。
グラフは、2003年の盗難率が高い3車種で、イモビライザーが装着されたものとそうでないものの盗難台数を比較したものです。
イモビライザーとは、IDの照合によりエンジン始動を可能にするものなので、キーの複製や、配線変更などによって車を盗まれる恐れはありません。仮にレッカー車などによる強制的に盗難したとしても、その後の部品交換による手間やコストから被害が少なくなっている傾向にあります。
具体的な例として、日本損害保険協会の調査によると、2007年~2008年に盗難件数が6~8%であったスズキワゴンRが2008年9月にイモビライザーが全車種標準装備されたことにより、2009年に4.2%、2010年に3.9%、2011年には2.8%までに減少しています。
イモビライザーが搭載されている場合のインジケータランプ
イモビライザーが搭載車を示すステッカーの例
イモビライザーとは盗難防止装置ですが、搭載されているかどうかは一見しただけではわかりにくいものですが、搭載されている場合は、メータ周りにインジケータランプがあります。
キーが差されていないときには、このインジケータランプが点灯(または点滅)し、イモビライザーが搭載されていることを知らせます。
相次ぐ車の盗難 その手口とは 「イモビカッター」
イモビライザーとは、キーとコンピュータの間で暗号化されたIDを照合しますが、この暗号をリセットし、別のキーでもエンジンを始動できるようにするものがあります。それが「イモビカッター」とよばれるもので、これを使用すればイモビライザーが搭載された車も簡単に盗むことができます。
イモビライザー設定をリセットする「イモビカッター」
イモビカッターの本来の目的は、合鍵業者によるイモビライザー用の合鍵作成ですが、これが悪用されています。
イモビライザーとは、キーとコンピュータの間で暗号化されたIDを照合し、その暗号化も膨大で複製不可能と思われていましたが、「イモビカッター」というものがインターネットを通じて出回るようになりました。
イモビライザー搭載車は、ハンドル付近にコネクタがあり、そこにイモビカッターを繋いで、暗号を無効化し、別のキーでもエンジンを始動させることが可能となります。
キーを紛失するとコンピュータからキーまで全交換となりその費用も高額となってしまいます。
このために、簡単に解除・設定ができる「抜け穴」が用意されていて、犯罪者はここを狙ってくるのです。
イモビカッターによるセルシオ盗難注意!
NHKで紹介されたイモビカッターによる盗難手口です。
イモビカッター対策商品
加藤電機(http://www.kato-denki.com)から発売されている、イモビカッター対策商品。
※画像は日産車用
イモビカッター対策向けの商品も各メーカから販売されています。
イモビカッターを接続させないようにするとか、イモビカッターを検知するとその書替えを無効とするものなどです。
イモビライザーとは盗難防止装置ではありますが、これがあれば100%大丈夫!ではありません。
イモビライザーとは、あくまでも、自走(乗り逃げ)を防ぐ装置であり、レッカー移動や車上荒しには効果がありません。
イモビライザーの他にも防犯グッズがありますので、ご自分の環境にあった防犯対策を検討してみてはいかがでしょうか?
ステアリングロック
ステアリングロックの一例です。
イモビライザーカッターには十分対向できますが、やはり、車上荒しには効果がありません。
タイヤロック
ステアリングロック同様に乗り逃げを防止します。ステアリングロックより視覚的防犯効果があります。
セキュリティアラーム
右のイメージはトヨタ純正のものですが、ドアロック・アンロックに連動して、自動的にアラームがON/OFFされます。また、バッテリーが外された場合にはサイレンがなります。
ドアのこじ開けや侵入(ガラス割り)にも反応します。
車両保険料が安くなる!
イモビライザーとは盗難防止装置ですが、万能ではありません。大切な愛車には車両保険をかけておいたほうがよいでしょう。イモビライザーとはID照合ですから、車両盗難のリスクは装備していない車よりも軽減されます。これにより2002年1月1日以降からイモビライザーが装備されている車両は保険料の割引が適用されています。保険会社により異なりますので、加入している会社に確認してみてください。
純正と後付どっちがいい?
イモビライザーとは盗難防止装置のこと。メーカー純正と後付タイプがありますが、効果としては跡付けタイプの方が高いと思われます。なぜならば、メーカー純正のイモビライザーとはメーカ別の解除方法が研究されているとおもわれるからです。これに対して後付タイプのイモビライザーとは、どのメーカのものか、どのように取り付けているかなどが判断が難しいからです。しかしながら後付タイプは装置代と取り付け工賃が当然ながらかかりますし、信用できるショップで取り付けてもらうことが大事です。
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