2016/02/10
里ちゅーん
2016/01/11 更新
タイヤメーカー間の競争が熾烈になってきた。新興タイヤメーカーの台頭で、世界的に競争が激しくなり、かつて日ブリヂストン、仏ミシュラン、米グッドイヤーの3社で5割超あったシェアが、4割を割ってしまった。2004年のランキングと2014年のランキングを比べてみよう。
2014年、世界のタイヤ市場の売上高は179,900百万米ドルでした。2004年は92,000百万米ドルでしたので、この10年間でタイヤ市場は約2倍に拡大したことになります。
世界タイヤメーカー別シェアランキング10位までを紹介します。メーカー名の後の数字は2014年のシェア率です。()内は2004年のシェア率とランキングです。
シェア率出典:タイヤビジネス誌
ランキング1位は、日本に本社を置く世界最大手のタイヤメーカー「ブリヂストン」です。ブリヂストンは2005年、フランスのミシュラン社を抜き世界シェアランキングのトップになりました。
社名は、創業者の石橋正二郎にちなみ英語の「ブリッジ」(橋)と「ストーン」(石)を合成したもの。姓を直訳して、「ストーンブリッジ」では語呂が悪いので、逆さにして「ブリヂストン」になったという。 また、その当時タイヤの世界的ブランドだったファイアストンのような一流のタイヤメーカーになりたいという思いも込められた。
ランキング2位は、フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」です。ミシュランは2005年にブリヂストンに抜かれるまでは世界最大手のタイヤメーカーでした。
ミシュランはアンドレとエドゥアールのミシュラン兄弟によって1889年に設立されました。
世界ランキング2位のミシュランは、世界で初めてラジアルタイヤを製品化したタイヤメーカーです。
日本を含め世界中幅広い国や地域で自動車、トラック・バス、建設機械・農業機械、オートバイ、飛行機、自転車などのタイヤを製造・販売し、WRC、MotoGPなどのモータースポーツ用タイヤとしても大きなシェアを持っています。
シェアランキング3位はアメリカ合衆国のタイヤメーカー「グッドイヤー」です。グッドイヤーは日・ブリヂストン、仏・ミシュランと並び、世界で最大のタイヤメーカー3社の1つであり、世界最大のゴム会社の1つでもあります。本社はオハイオ州アクロン。
シェアランキング3位のグッドイヤー社の社名は、加硫ゴムの発明者チャールズ・グッドイヤーにちなんでその名が命名されましたが、グッドイヤー氏とグッドイヤー社の直接の関係はありません。
グッドイヤーは1999年に住友ゴム工業と包括的資本提携を結びました。このため両社の持つ「グッドイヤー」「ダンロップ」のブランドについても、北米・欧州市場は全てグッドイヤーが、アジア市場を住友ゴム工業がそれぞれ製造・販売する形となりました。
2014年2月にグッドイヤーが住友ゴム工業に対し提携解消の申し入れを行い、2015年6月4日提携解消に双方が合意しました。
ランキング4位は、ドイツ・ハノーファーに本社を置く1871年創業の世界最大のタイヤメーカー及び自動車部品メーカーの一つ「コンチネンタル」です。
従業員数は約19万名(2014年)で、売り上げ高は約345億ユーロ(約4兆5720億円)(同年)。
世界でのタイヤメーカー別シェアランキングは1位ブリヂストン、2位ミシュラン、3位グッドイヤーについで第4位です。一方、欧州でのオリジナルエクイップメント(メーカー純正装着)シェアランキングは第1位です。
シェアランキング5位は、イタリア ミラノに本社を置く「ピレリ」です。
ピレリーは、1872年ジョヴァンニ・バッティスタ・ピレリによって創業されました。
ランキング5位のピレリーは、2015年買収により中国の国有化学大手、中国化工集団(ケムチャイナ)の傘下となりました。
シェアランキング第6位は日本のタイヤメーカー「住友ゴム」です。
ランキング6位のタイヤメーカー「住友ゴム」は、兵庫県神戸市中央区脇浜町に本社を置く、タイヤ、スポーツ用品などを製造する住友グループの企業です。
「DUNLOP(ダンロップ)」、「FALKEN(ファルケン) 」ブランドを展開しています。
欧米では1999年より2015年までグッドイヤー社と合弁事業を展開していたが経営面での対立から、2015年10月グッドイヤー社とのアライアンス契約および合弁事業を解消した。
北米の非日系自動車メーカー向けと市販タイヤ及び欧州におけるダンロップ商標使用権はグッドイヤー社が引き継ぎ、その他のダンロップ商標使用権は住友ゴム工業が引き継ぐ。合弁会社のダンロップグッドイヤータイヤは住友ゴム工業が、日本グッドイヤーはグッドイヤー社が、それぞれ買い取る。
シェアランキング7位は、大韓民国のタイヤメーカー「ハンコック」です。
1941年 日本ゴムタイヤ系列で、朝鮮タイヤ工業株式会社としてソウルにて創業、1963年 横浜ゴムと技術提携しました。
シェアランキング7位のハンコックは、1941年設立。韓国で1位、アジアで3位、そして世界で7位のタイヤメーカーに発展してきました。
日本国内ではダイハツや三菱自動車などに新車装着タイヤとして採用され、世界ではフォルクスワーゲン・アウディグループ、フォード、ゼネラルモーターズ(GM)など多くの自動車メーカーに採用されています。
シェアランキング8位は、日本のタイヤメーカー「横浜ゴム」です。
シェアランキング8位の「横浜ゴム」は古河グループのタイヤ・ゴムメーカーです。
横浜ゴムは、1917年10月 - 橫濱電線製造(現在の古河電工)とアメリカ合衆国のBFグッドリッチの合弁で、横浜市に橫濱護謨製造株式會社として設立されました。
タイヤメーカー別シェアランキング9位は、台湾のタイヤメーカー最大手の正新。マキシスというブランドで、世界で市販用タイヤの普及を拡大しています。
タイヤメーカー別シェアランキング10位は中国のタイヤメーカー「中策ゴム」です。
2015年8月、中国のタイヤメーカー「中策ゴム」の初の国外工場がタイ東部ラヨン県のアマタシティ工業団地で完成し、稼働を始めました。乗用車用と小型トラック用のタイヤを生産し、年産能力は約500万本。東南アジア、南アジアなどに供給。
2014年の世界タイヤメーカー別シェアランキングを紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
世界タイヤビッグ3の2004年シェア合計は54.1%でしたが、2014年には37.3%に減少しています。反面、新興タイヤメーカーの台頭が目立ちます。
最近国内でもアジアンタイヤを装着している車をよく見かけます。また、新車装着タイヤとしてアジアンタイヤが採用されるという動きもあるようです。
廉価なタイヤが多く、価格面の優位性でシェアを獲得している、ということでしょう。
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