2016/11/24 更新
日産を代表するエンジンとは?日産の歴史的エンジンを見てみよう!
日産が製造販売してきた名車には、名車と呼ばれる由縁があるエンジンンが搭載されてきました。では、日産のエンジンにはどんなものがあったのでしょう?日産の歴史を代表するエンジンから現在に至るまでを、車種と合わせてみてみましょう。
1935年、社名が今の日産自動車株式会社のなってから最初に製造された車は「ダットサン14型」という車で、そこに搭載されたエンジンが7型式エンジンでした。
7型エンジン
直列4気筒SV
排気量:7.22L
最高出力:15馬力
最大トルク:3.8kg・m
1933年12月、日産自動車は自動車製造株式会社設立時にスタートし、1934年には現日産自動車株式会社に社名変更し年間生産台数2万台量産に取り組みます。
ダットサン 14型
年式 1935年
型式 14型
全長 2,790mm
全幅 1,190mm
全高 記載なし
1935年横浜工場で最初に作られたのがダットサン14型ですが、搭載された7式エンジンはダット自動車製造が開発したエンジンでした。
このエンジンは1929年~1931年にダット91型用として開発されたエンジンで、当初は4.95Lでしたが最終的には8.6Lまで拡大され、1963年まで製造されました
S20型エンジンは、プリンス自動車工業がプロトタイプレーシングカーR380に搭載したエンジンをディチューンし出力を落とし公道仕様に改良したエンジンです。
S20型エンジン
直列6気筒DOHC24バルブ
排気量:2.0L
最高出力:160(155PS)/7,000rpm
最大トルク:18.0(17.6kgf·m)/5,600rpm
このエンジンは、ハコスカと呼ばれたスカイラインKPGC10型GT-Rに搭載されたエンジンで、スカイラインGT-Rが数々の歴史を作りだした原動力となりました。
スカイラインKPGC10型GT-R
製造期間:1970年~1972年
排気量:2.0L
ミッション:5速MT
駆動方式:FR
ハコスカと呼ばれたスカイラインPGC10型は1969年に誕生しますが、1970年にGT-Rは全て2ドアクーペとなり、型式はKPGC10型とされました。
このエンジンは、フェアレディZ Z432型にも搭載されることとなりますが、こちらは相性が合わず、現場での評判もあまり良くなかったともいわれているようです。
VG30DETTエンジンは、1990年代のスポーツカーブームの時代に、多くの注目を集めた日産が開発したエンジンです。
VG30DETT型エンジン
V型6気筒DOHC24バルブ ツインターボ
排気量:3.0L
最高出力:242kW(330PS)/6,800rpm
最大トルク:382N・m(39.0kg・m)/3,200rpm
このエンジンは330馬力を発揮し、フェアレディZ Z32型に搭載されますが、フェアレディZ Z32型のエンジンは国内で初めての自主規制エンジンとなり、280馬力に抑えられることとなります。
フェアレディZ300ZX ツインターボ Z33型
製造期間:1989年~2000年
排気量:3.0L
ミッション:5速MT 4速AT
駆動方式:FR
「VG」とはberry goodの略で、DETTの「DE」は型式を表し、最後の「TT」はツインターボを意味しVG30DETTという型式になりました。
しかし2000年になるとバブルの崩壊とともに贅沢さを盛り込まれたフェアレディZ Z32型は製造終了となり、2002年までフェアレディZは姿を消すこととなってしまいました。
RB26DETT型エンジンは、スカイラインR32型のGT-Rに搭載されていたR32型GT-R専用に開発されたエンジンです。
RB26DETT型エンジン
直列6気筒DOHC24バルブ ツインターボ
排気量:2.6L
最高出力:206kW (280PS) /6,800rpm
最大トルク:392N·m (40.0kg·m) /4,400rpm(BNR34型)
RB26DETTはGT-R復活のエンジンで、RBの「R」がレスポンスの意味で「B」はバランスを意味し、改良を加えられながらR34型GT-Rまで搭載されることになります。
スカイラインR32型GT-R
製造期間:1989年~1994年
排気量:2.6L
ミッション:5速MT
駆動方式:4WD
このRB26DETTエンジンは自主規制によりカタログ値を280馬力としていましたが、性能を抑えきることができずに実際にはノーマルでも300馬力を超えているのも存在したようです。
R32型GT-Rは、このエンジンとアテーサ+トルクスプリットコントロール4WDの搭載により数々の戦績を残した国産スポーツカーの歴史的一台となりました。
VR38DETT型エンジンは、R35型GT-R専用エンジンとして開発されたエンジンで、VRの「R」はGT-R専用を意味しています。
VR38DETT型エンジン
V型6気筒DOHC24バルブ ツインターボ
排気量:3.8L
最高出力:353kW (480PS) /6,400rpm
最大トルク:588N·m (60.0kgf·m) /3,200~5,200rpm
このVR38DETTは、完成してからも開発が進められ、R35型GT-Rがマイナーチェンジされるたびに進化してきました。
R35型 GT-R
製造期間:2007年~
排気量:3.8L
ミッション:6速DCT
駆動方式:4WD
R35型GT-RからGT-Rはスカイラインではなく、車名をGT-Rとして登場しました。登場から数回のマイナーチェンジを実施し、2017モデルが最終型といわれています。
エンジンも2007年が480馬力、2008年が485馬力、2010年が530馬力、2011年が550馬力となり、最終型の2016年に発表された2017年モデルでは565馬力までパワーアップしました。
日産は可変圧縮技術を初めて市販レベルで搭載したエンジンを開発しました。市販レベルで可変圧縮技術が搭載されたのは世界で初めてで、2017年から生産開始が決定しました。
VC-Tエンジン
このVC-Tエンジンは圧縮比を8~14の間で変化させることを可能とし、ターボチャージャーを組み合わせることで異常燃焼を抑えることができます。
異常燃焼を抑えることによって燃費を向上させることができるという、最新技術が投入されたエンジンと言えます。
インフィニティ QX50
インフィニティは日産の海外ブランド名。インフィニティQX50の日本名はスカイラインクロスオーバー。
このエンジンが最初に搭載されるのは、パリモーターショーで発表されたインフィニティQX50(日本名スカイラインクロスオーバー)とされています。
VC-TエンジンはVQエンジンの後継エンジンとされているようですから、日産の次期フェアレディZあたりにも搭載される可能性は十分に考えられます。
日産は、これまでたくさんの優秀なエンジンを開発してきました。また、新型ノートのe-powerのような新システムも採用し常に進化しています。これからもどんな車を誕生させ、どんなエンジンを開発してくるのか非常に楽しみなので、今後の動きにも注目していきたいと思います。