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    バッテリーの寿命について、バッテリーの用途と寿命を縮める行為とは

    自動車を構成する部品の中でも重要な“バッテリー”ですが、そもそもバッテリーって何に使うのか? バッテリー上がりとバッテリーの寿命って違うのか? バッテリーの寿命がどのくらいあるのか? バッテリーとその寿命について調べてみました。

    バッテリーの役目と充放電の仕組みについて

    バッテリーは、エンジン指導時にセルモーターを回すのに使われていますが、それ以外にもヘッドライト、ウィンカー、ブレーキランプ等のランプ類に電気供給しています。また、パワーウィンドウやカーオーディオ等にも電気を供給しており、自動車の部品の中でもバッテリーは重要な役目を果たしています。

    クルマのエンジンがかかると、エンジンにつながった発電機(オルタネーター)によって電気を供給してもらう事で、バッテリーにも充電されますが、寿命がきたバッテリーには充電する事ができません。

    エンジンと連動したオルタネーター(発電機)によって、クルマの電気機器への供給とバッテリーの準電が行われます。発電機が止まった時や発電量が低い時には、バッテリーから電気が供給されますが、寿命がきたバッテリーからは供給する事ができません。

    バッテリーにはどんな種類があるの

    バッテリーの種類は、1.大型トラックやバス等の商用車用、2.一般乗用車用、3.オートバイ用に分けられます。それぞれにバッテリーの容量や性能ランクやサイズ、端子の位置等の違いがあり細分化されています。

    一般乗用車用のバッテリー

    バッテリーのメーカーが違っていても、バッテリーの型式が同じであれば使う事が可能です。寿命が来て交換する時は注意が必要です。

    最近では、乗用車用バッテリーにも充電制御に対応した“アイドリングストップ車用”や、“ハイブリッド車用”等と用途が細分化してきていますので、従来のバッテリーよりも厳しい環境下での使用を前提に、そのクルマに合ったバッテリーが作られています。

    ハイブリッド車用バッテリー

    一般車用のバッテリーに比べて、大容量で密閉型のバッテリーとなっています。もしもバッテリーの寿命がきても、一般用のバッテリーを代用する事は出来ない様です。

    ハイブリッド車におけるバッテリーについて

    普及率の高くなったハイブリッド車ですが、ご存じの通りエンジンを使って走行する場合と、モーターがバッテリーから電気を供給した走る場合があります。ハイブリット車におけるバッテリとは、“モーター駆動用のバッテリー”と“”補機類用のバッテリーに分かれており、この二つが搭載されている事になります。どちらのバッテリーもいつかは寿命が来るのですが、今回取り上げたのは補機類用のバッテリーです。

    ハイブリット車の二つのバッテリー

    それぞれ用途が違っているので、ハイブリット車でもバッテリー上がりや寿命が来る可能性はあります。

    ハイブリット車には図の様に二つのバッテリーが搭載されていますが、クルマをスタートさせるには“補機類用バッテリー”を使うので、このバッテリーが上がってしまったり、バッテリーの寿命がきた場合は、モーター駆動用バッテリーに異常がなくても、一般車と同様に始動する事はできません。

    バッテリー上がりとバッテリーの寿命の違いは

    バッテリーのトラブルに“バッテリー上がり”という言葉は良く耳にしますが、バッテリーが上がるというのはどういう状態を指すのかというと、過放電状態=バッテリーの容量に対して、バッテリーから供給される電気の消費が大きくなり、電気が供給できなくなってしまった事を言います。それに対してバッテリーの寿命は、バッテリーが劣化して電気を蓄える事が出来なくなってしまう事を言います。

    充電器を用いたバッテリー充電の様子

    バッテリー上がりに対しては、寿命が来てないバッテリーであれば、再度充電する事で再度使用できる様になります。

    電気は自然に生み出される訳ではなく、車の場合エンジンの回転で発電機を駆動しバッテリーに蓄積し、必要に応じてバッテリーから電気を供給しています。バッテリーのトラブルは電気を作れる量と使う量の不釣り合いから発生する事が多いようです。

    出典:http://www.jaf.or.jp

    バッテリー上がりは、ヘッドライトの消し忘れや半ドアによる室内灯のつけっぱなしだったり、あまりクルマに乗らずに、長い期間放置したあったりした時に発生します。バッテリー上がりであれば、自動車用バッテリー充電器で充電する事で回復しますが、寿命がきて劣化したバッテリー内部において、化学反応しなくなってしまったバッテリーは、充電しても回復しないので、バッテリーとしての寿命を迎えた事になります。

    電気消費量TOP5
    1位 エアコン
    2位 ブレーキランプ
    3位 リアデフォッガー
    4位 ヘッドライト
    5位 ワイパー
    表からもわかるように、特に夏場にエアコンの電力消費量は電気を作れる容量の最大4割近くを使っています。自動車で使う電気はエアコンだけではありません。

    出典:http://www.jaf.or.jp

    バッテリーの寿命は

    バッテリーの寿命は2年~3年、又は寿命が3年~4年くらいと言われており、メーカーの見解も様々です。これはバッテリーの使われ方や環境(シビアなコンディション)が影響しているからというのが理由の様です。毎日使っているクルマのバッテリーと、週末に少しだけしか使われないクルマのバッテリーでは、使われないクルマの方が、充電量に対して放電量が大きくなってしまう事にも原因があり、これらがバッテリーの寿命に影響を与えています。

    バッテリーに対するシビアなコンディションとは

    バッテリーに対するシビアなコンディションとして、走行距離が長い場合、短距離走行の繰り返し、低速走行やアイドリング状態が長い等があげられますが、これらの行為はバッテリーの劣化を早め、寿命に影響してくる場合があります。

    夏場の渋滞もバッテリーの寿命に影響を与えています。

    写真の様な夏場の渋滞というのも、バッテリーへのシビアなコンディションとなり、寿命に影響を与えていると思います。渋滞時にカーオーディオとエアコンを動かして、更にヘッドライトを点けたままノロノロとゴー・ストップを繰り返すなどは、バッテリーへの負担も大きくなり寿命に影響が出てきます。

    バッテリーの寿命を長持ちさせるコツ

    エンジンをかけるだけではクルマの発電量が十分でない事から、やはりクルマを動かしてあげる事がバッテリーの寿命を延ばすのに一番良いという事になります。長く乗らない時には、バッテリーをクルマから外して保管する、充電器を使って再充電する、あるいは“キルスイッチ”等を設置するという方法もあります。

    バッテリーのキルスイッチ

    乗る機会の少ない旧車等に採用される、バッテリーの“キルスイッチ”の設置例。これもバッテリーの寿命を延ばす策の一つです。

    バッテリーの寿命を少しでも長持ちさせるためには、なるべく毎日乗ってあげて、バッテリーの負担になる行為は、出来るだけ少なくしてあげるという事が良い様です。また寿命を気にせずに、定期的に交換してしまうというのも、バッテリーによるトラブルを防ぐ方法の一つになります。

    扱い方で延ばすこともできるバッテリーの寿命ですが、我々ユーザーがその寿命を握っているといえるのかもしれません。

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